(放送書き起こし)
-今回の中国側の狙い、専門家はこう分析しています。
川島真「“日本が干渉してきてるんだ”というロジックにしている。それを内外に宣伝をして、中国も“じゃあ日本がやるならば中国も変えていいんだ”というような物語というかそういうロジックとか、それに利用してやろうという雰囲気が今明らかに見えつつあるんだろう」
-その上で、今後日本に求められる対応については?
川島真「日本としては大きく変更を加えたつもりはないわけなんですね。ですからそこは何を変更してませんよということをまあ、言い続けるんだと思います。言論レベルでのその応酬というのを、あの中国に対して言うだけではなくて、国内外にしっかりとアカウンタビリティを果たしていくと言いますか、内外にしっかりすることが大事だと思いますね」
中国 高市首相に発言の撤回を要求 「台湾有事」めぐる認識で
2025年11月14日午前9時01分
(2025年11月14日午後8時59分更新)
中国側のねらい 専門家 “言論を盛り上げ有利な方向性に”
今回の中国側のねらいについて、中国の政治外交史を研究する東京大学大学院の川島真教授は「中国は、日本のほうが現状を変えようとしていると内外に宣伝し、日本がやるなら中国も変えてよいという方向に利用する雰囲気が明らかに見えつつある。これを機に言論を盛り上げて、自分にとって有利な方向性に持っていこうとしている」と分析しています。
さらに「高市総理大臣の発言が異例かどうかは議論があるだろうが、日本としては、言った以上は中国のさまざまな言論戦にいかに対抗するか、腰を据えて対応しないと中国の論理が世界に広まるおそれもある」と指摘しました。
そのうえで今後の日中関係について「首脳会談もすでに行われ、大筋として、まだ大きく底が抜けた感じではない。日本は中国側に『従来どおりで何の変更もない』としっかり伝え、内外に説明する責任を果たしながら、対話を続けていくことになるだろう。中国がしばらく上げた拳を下ろさなかったとしても、日本が譲歩する話ではなく、是々非々で対応するしかない」と述べました。
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10014976431000