モーガン・スパーロックさん
2024年5月25日
ドキュメンタリー映画「スーパーサイズ・ミー」の監督、モーガン・スパーロックさんが23日、がんのため死去した。53歳だった。
スパーロックさんは2004年に発表した「スーパーサイズ・ミー」で、自分自身が1カ月間マクドナルドのメニューだけを食べて過ごし、健康にどんな影響があるのかを実験した。
この映画の内容は論争となり、アカデミー賞ドキュメンタリー映画部門にノミネートされた。
スパーロックさんはこのほかにも20作以上の映画やドキュメンタリー作品を制作。代表作には、2008年の「ビン・ラディンを探せ! スパーロックがテロ最前線に突撃」や、ボーイズバンド「ワン・ダイレクション」のドキュメンタリー「ワン・ダイレクション THIS IS US」(2013年)などがある。
遺族が広報担当者を通じて発表した声明によると、スパーロックさんはがんの合併症のため死去した。
弟で共同制作者のクレイグさんは、「兄のモーガンにお別れをした。悲しい日だ」と述べた。
「モーガンはその芸術やアイデア、寛容さを通して多くのものを与えてくれた。世界は、創造性に富んだ本物の天才を、特別な人を失った」
マクドナルドの店舗前で映画を宣伝するスパーロックさん画像提供,GETTY IMAGES
画像説明,マクドナルドの店舗前で映画を宣伝するスパーロックさん
スパーロックさんは「スーパーサイズ・ミー」で、自らが主役兼実験台となり、大量のビッグマックとチキンナゲットを食べ、何リットルものコーラを飲んだ。
この30日の実験の中でスパーロックさんの体重は、11キロ増えた。実験を止めなければ健康に危険が及ぶと、医師に宣告された。
スパーロックさんはこの時、体調が悪く元気がないと語っていた。また、血圧やコレステロール値について、医学的な懸念が指摘された。
スパーロックさん画像提供,GETTY IMAGES
画像説明,スパーロックさんは「スーパーサイズ・ミー」の撮影中、体重が11キロ増えた
この映画はまた、アメリカの食品業界に鋭い質問を投げかけることになった。政治的にその気さえあれば、現状よりも健康的な代替品を提供できるのだと、可能性を提示した。
この映画の公開を受け、マクドナルドは自社のメニューを擁護する声明を発表し、スパーロックさんの映画を「非現実的」だと非難した。
マクドナルドはイギリスの新聞5紙にも広告を掲載し、自社の食品は「バランスの取れた食生活の一部」として食べるべきだと述べた
それでもマクドナルドはその年、スーパーサイズの提供を廃止した