2024年も押し迫ってまいりました。今年も政治家や芸能人、企業の中の人などなど、さまざまな人から多彩な「大人げない発言」が飛び出しました。
強烈な破壊力を持つ「大人げない発言」は、ある時は私たちをムカつかせ、ある時はあきれさせながら、今という時代を映し出してくれます。印象に残った言葉を眺めてみれば、2024年がどういう一年だったかが浮かび上がってくるはず。珠玉の「大人げない発言」からにじみ出る独特の旨味を味わいましょう(肩書は発言当時のもの)。
【政治家編】
「大人げない発言」といえば政治家のみなさんです。発せられた順に、どれもそれぞれインパクト抜群の発言を思い出してみましょう。
発言その①
「俺たちから見てても、このおばさんやるねえと思った」
by 麻生太郎自民党副総裁
【大人げなさ鑑賞ポイント】
「大人げない」と言えば、やっぱりこの人。自民党の麻生太郎副総裁は1月28日、福岡県での講演で、上川陽子外相が前年9月にアメリカを訪れた際の様子について、「そんなに美しい方とは言わんけれども、堂々と話をして、英語できちんと話をし、外交官の手を借りずに自分でどんどん、会うべき人に予約を取っちゃう」と評しました。さらに「俺たちから見てても、このおばさんやるねえと思った」とも。
いちおうホメているつもりのようですが、「そんなに美しい方とは言わんけれども」という前置きは極めて失礼だし、「このおばさん」という表現もまったく必要ありません。「俺たちから見てても」の一節にも、「女性という下の立場にいる相手を偉い俺たちが広い心で認めてやる」という尊大な気配がにじみ出ています。女性を素直にホメるのは「男の沽券」に関わるという意識が骨の髄まで染み付いているのでしょうか。「大人げない」なんてカワイイもんじゃなく、差別意識と勘違いに満ちた極めて恥ずかしい発言と言えるでしょう。
(略)
「おじさんがパーカー着るなとか、若い子と交流するなとか言うのはエイジハラスメントじゃないですかね‼」
by 堀江貴文
【大人げなさ鑑賞ポイント】
もともとは27歳の女性作家が、YouTube上で「40近くになってパーカーとか着てるオジサンってけっこうおかしいと思うんですよ」と発言したのが発端でした。それ自体は「へえー、そう思う若い女性もいるんだなあ」ぐらいの話です。
ところが、この発言に対して実業家の堀江貴文氏が激しく反論。Xに「おじさんがパーカー着るなとか、若い子と交流するなとか言うのはエイジハラスメントじゃないですかね‼ 若い女がおじさんのことをdisるのはいいんですかね 逆はめちゃくちゃ叩かれるのに! 正直めちゃくちゃ腹立ちますね。この女」と、大人げなくキレ散らかします。
きっと堀江氏の心の大事な部分に触れてしまったのでしょう。その後、双方から「じつはこういう意図で」という補足や後出しの説明が出てきたりしています。そんな騒ぎを面白がりつつ、おじさんのあいだでちょっとしたパーカーブームが盛り上がっているのは興味深いところ。大人げなさのパワーがもたらした楽しい展開と言えるでしょう。
全文はソースで
https://president.jp/articles/-/89477