7/7(月) 13:17配信
プレジデントオンライン
フジテレビは、7月6日、「検証 フジテレビ問題 反省と再生・改革」と題する検証番組を放送した。元関西テレビ社員の鈴木洋仁神戸学院大学准教授は「フジテレビはやはり解体するしかないと確信を強めた。明らかになったのは、問題の核心ではなく、“世間との決定的なズレ”だったというほかない」という――。
【写真をみる】フジテレビジョン港浩一元社長(2025年1月27日、フジテレビ記者会見)
https://president.jp/articles/photo/98028?pn=2&cx_referrertype=yahoo&yhref=20250707-00098028-president-soci
■まるで「コンプライアンス研修用教材」のよう
隔靴搔痒(かっかそうよう)、肩透かし。
発端となった『週刊文春』の報道から半年あまり。検証番組「検証 フジテレビ問題 反省と再生・改革」(7月6日放送)を見て、多くの視聴者が、そう思ったのではないか。私たちが求めていた「真相」とは違ったからである。
3月31日に公表された第三者委員会による「調査報告書」(以下「報告書」)の映像版、というか、衝撃も新事実もなく、まるでコンプライアンス研修用教材のようだった。中居正広氏、「フジテレビのドン」と言われた日枝久相談役、編成部長(いずれも肩書は事案発生当時)といった、枢要な関係者のインタビューはもちろん、テレビのニュースでよく見る「直撃映像」もなかった。
なるほど、中居氏と元女性アナウンサーとのトラブルについては「女性Aさんへの人権侵害事案」と表現していた。中居氏の代理人によって、放送前日、5日付で出された第三者委員会に対する「貴委員会に対する釈明要求のご連絡(3)」では、「性暴力」の認定と公表について、「到底受け入れることができません」としており、今回の番組では考慮したのかもしれない。
■なぜ「プライベートのトラブル」と認識したのか
日枝氏については、「3回にわたり取材を申し込みましたが、日枝氏は応じませんでした」とのナレーションとともに、取材依頼状を映し、「盟友」の尾上規喜元監査役をはじめ、歴代社長のインタビューは放送していた。
しかし、私たちが、いや、少なくとも私が知りたかった「真相」には迫ってくれなかった。私が求めていたのは、「本当に何が起きていたのか」、であり、「なぜ、起きたのか」である。
とりわけ、港浩一社長と大多亮専務(いずれも当時)らが、「プライベートな男女間のトラブルが起きている」(検証番組での港氏の表現)と認識したのは、なぜなのか。言い換えれば、女性アナウンサー(社員)とタレントとのあいだの「プライベートな男女間のトラブル」が、日常茶飯事だったのではないか。そうした疑問に答えてほしかった。
続く
https://news.yahoo.co.jp/articles/3865dbb5f277cceb6f17c5a0ef17264e19f395c8