茂木健一郎 寝る前に“新しい曲”はNG!? 脳科学が導く“寝落ち音楽”の正解とは?
11/15(土) 20:50 TOKYO FM+
https://news.yahoo.co.jp/articles/a6223970a48b51c132157bf1c56fea4fc5e33c70
脳科学者の茂木健一郎がパーソナリティを務め、日本や世界を舞台に活躍しているゲストの“挑戦”に迫るTOKYO FMのラジオ番組「Dream HEART」(毎週土曜 22:00~22:30)。TOKYO FMがお送りするポッドキャストポータルサイト「TOKYO FM ポッドキャスト」では、当番組のスピンオフ番組「茂木健一郎のポジティブ脳教室」を配信中です。
この番組では、リスナーの皆様から寄せられたお悩みに、茂木が脳科学的視点から回答して「ポジティブな考え方」を伝授していきます。今回の配信では、リスナーから寄せられた「寝る前に聞く音楽」に関する相談に答えました。
<リスナーからの質問>
いつも楽しく拝聴しています。最近、茂木さんのラジオ番組「Dream HEART」でオペラ歌手・車田和寿さんのゲスト回(9月20日、27日放送)を聴いてから、寝る前に静かなクラシックを小さな音で流し始めたら、呼吸がゆっくりになって心が落ち着く気がします。
脳科学の観点で、寝る前に聴いたほうがいい音楽はあるのでしょうか? 音量やテンポ、楽器の違いで脳の働きや睡眠の質に差が出るのかも気になります。
■音楽と上手に付き合って、やさしく1日を締めくくれるようになりたいです。
<茂木の回答>
これは、とてもとてもいい質問ですね。なぜなら、寝落ちの音楽を何にするかというのは、やはり皆さん悩むところだと思うんですよ。
まず、脳科学のさまざまな研究で分かっていることは、眠ってしまったら、ほとんど音楽を聴いていないということです。いわゆる睡眠学習のようなことについてもいろいろ研究がされているのですが、結論から言うと、寝ている間に聴いているものはほとんど脳には定着していません。まあ、これは当たり前と言えば当たり前なのですけれどね。
なので、ポイントは「寝落ちするまでの音楽」ということになります。寝てしまったら、もう音楽はあまり関係なくなります。
その時に一番重要なのは、実はリラックスできることなのです。これは人によって違うかもしれませんね。
一般的に、弦楽器だとか、高い周波数の音を含んだ音楽というのは、脳をリラックスさせる効果があることが知られています。これは、皆さんが子どもの頃、お母さんが子守唄を歌ってくれたりしたかもしれません。もちろんお父さんも歌いますが、脳科学的にはやはり周波数の高い音というのは、胎内にいた時にお母さんの声を聴いていたからか、非常に脳をリラックスさせる効果があることが知られています。
ですので、まあ、周波数の高い音域を含む音楽がいいな、ということは言えるのです。そして、リラックスすると副交感神経という、リラックスした時に働く神経のシステムが働きます。そのため、ある種戦闘モードである昼間のモードから、お休みモードに脳が切り替わるということで、もしできるのであれば周波数が高めの曲、そしてリラックスできる曲を聴くのがいいのかなと思います。
あと、もう1つは、ヘビーローテーションで聴いている曲が意外と良いとされているのです。
というのは、新しい曲だと、脳の中のその新しい曲に反応するドーパミンの回路が活性化してしまうことがあるためです。ある意味では、もう聴き慣れた曲、これからどうなるか分かっている曲だと、そこに報酬系が働かないので、「いつ寝落ちしてもいいぞ」という気持ちで寝落ちできるかなと思います。
私は落語を聴きながら寝落ちすることも多いのですが、音楽ではないのですけれど、やはりもうヘビーローテーションで何回も何回も聴いている落語なので、いつどこで寝落ちしてもいい、ということで落語を聴くこともございます。
(※以下略、全文は引用元サイトをご覧ください。)