【社会】大西洋横断に挑戦中の男性、ゴンドウクジラの群れに囲まれる 特別な瞬間に感激も「怖い」
【社会】大西洋横断に挑戦中の男性、ゴンドウクジラの群れに囲まれる 特別な瞬間に感激も「怖い」
大西洋横断の世界記録更新に挑戦しているイギリス出身の男性が、海でゴンドウクジラの群れに囲まれるという絵本のような体験をし、Instagramに動画を投稿した。10頭ほどから始まり、最終的には本人の推定で1000頭ほどのゴンドウクジラに囲まれながら数時間、海を一緒に進んだという。フレンドリーなゴンドウクジラたちは、時々ボートに体当たりしたそうで、男性は貴重な体験に感激しながらも「ボートが壊れるかと思った」と話している。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えた。
カナダ東部ニューファンドランド・ラブラドール州から英コーンウォール州ペンザンスへ、手漕ぎボートで大西洋横断の世界記録更新に挑戦しているのは、英ヨークシャー州ハリファックス出身のトム・ワディントンさん(Tom Waddington)だ。
トムさんは、メンタルヘルスに関するチャリティ団体「Mind」への寄付を募るため、大西洋横断の世界記録更新に挑戦することになった。そんなトムさんは今月7日、海上での貴重な体験を収めた動画を自身のInstagramに投稿した。
ボートの上から撮影された動画には、何頭ものゴンドウクジラが水面に出てくるのが確認できる。「これはすごい。特別な瞬間だよ」とトムさんは感激したが、ゴンドウクジラたちはボートの下を泳いだりしており、「すごいけどちょっと怖いな。すごく近いし、ボートにぶつかったらどうしよう」と心配している。
トムさんは投稿で、このゴンドウクジラたちについて“ヒレナガゴンドウ(long finned pilot whale)”と呼ばれる種だと説明している。“クジラ”という名前の種の中では最も小型で、“ゴンドウイルカ”と呼ばれることもあるようだ。
トムさんは撮影のためにボートを漕ぐ手を止めていたが、ゴンドウクジラの群れから離れるために再び漕ぎ出そうとした時、ゴンドウクジラがボートにぶつかってしまい、映像が乱れた。ボートは無事だったが、危険を感じたトムさんはゴンドウクジラたちをボートから遠ざけるため、大声を出したり水しぶきを立てたりしたが、効果はなかったそうだ。
陸にいるチームに連絡して相談したトムさんは、ゴンドウクジラたちと関わらないようにすべきとアドバイスを受け、それから約2時間ボートを漕ぎ続けて移動した。しかし、2時間後に撮影された映像には、先ほどよりも多くのゴンドウクジラたちの姿が映っている。フレンドリーなゴンドウクジラたちは、さらに多くの仲間を呼び、トムさんのボートを追いかけることにしたようだ。トムさんは「信じられない光景だけど、本当に怖いな」と、複雑な心境を吐露していた。
いつボートが転覆してしまうかとハラハラしながらボートを漕いでいたトムさんだったが、最終的に転覆することなく、ゴンドウクジラの群れは去っていった。
トムさんが撮影した動画に、ユーザーからは「なんて素晴らしい光景なの」「羨ましい体験だ」「応援しに来てくれたのかも」「こんな体験ができるなんて、本当にラッキーだね」「すごいけど、こんな小さいボートに乗って囲まれてしまったら、怖い気持ちも理解できるよ」などといった声が寄せられた。
ちなみに2021年にはアイルランドで、12時間以上も海を彷徨っていた男性が、イルカの群れの中心で発見されていた。
画像は『Tom Waddington Instagram「Please help me reach my fundraising target of 50k for @mindcharity」』『New York Post 「Whales surround man paddling solo across Atlantic in nerve-wracking scene: ‘They’re so close’」(tomwaddington_skier/Instagram)』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)