【野球】「日本のプロ野球のほうが盗塁しにくい」説も…大谷翔平、なぜ盗塁が2倍以上に急増? NHK解説者「日米ピッチャーの差」
【野球】「日本のプロ野球のほうが盗塁しにくい」説も…大谷翔平、なぜ盗塁が2倍以上に急増? NHK解説者「日米ピッチャーの差」
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「昨季20個→46個」なぜここまで盗塁が急増したのか?
また、今季の大谷の目覚ましい成績と言えば、盗塁だろう。大谷はメジャーのキャリアでの最多盗塁は2021年、エンゼルス時代の26個。昨季は20個だったが、今年は50個を目前にしている。この理由を武田氏はこう話す。
「今年は打者に専念していますから、本人も盗塁数の増加は狙っていたんでしょう。実際、シーズン前から走塁練習に重点を置く様子が報じられています。表現としては、『走れたのに投手での出場のことを思って走れなかった』というほうが正しいんじゃないでしょうか。今シーズンは55盗塁はいくと思いますね」
メジャーでは昨シーズンからピッチクロックが始まっている。これは、投手がボールを受け取ってから投球動作に入るまでの制限時間だ。ランナーなしは15秒、ランナーありは18秒となり、さらに牽制も3回失敗すればボークとなる。つまり、ランナーは残り秒数を見れば、ピッチャーが投球動作に入るタイミングがわかり、牽制の回数も予想できるということだ。
さらに一塁と二塁のベースも15インチ四方から18インチ四方へ変更され、7.6センチほど大きくなっている。このようにランナー有利となるようなルール変更がされ、大谷の盗塁についてもこの影響を指摘する声もある。しかし、武田氏はこの問題は本質ではないと話す。
「もちろん、ルール変更も一因でしょうけど、本質はそこではないんです。そもそも、メジャーと日本の野球はスタイルが異なります。メジャーでは、牽制やクイックがうまい投手は少ないし、そもそも攻撃も打ってナンボのようなスタイル。隙あらば盗塁をするような選手も少ないため、投手も無駄にクイックや牽制の練習などしないのです。日本だとプロ入りした投手は、まず盗塁対策としてクセを直させられますが、メジャーではそこまで徹底されていないため、クセもリズムもわかりやすい。中継を見ていても、投げるまでのリズムが一定のピッチャーはわかります。このような状況を鑑みれば、大谷ほどの走力がある選手にとって、盗塁は比較的容易なのです。日本のプロ野球のほうがよっぽど走りにくいと思いますよ」