11/8(金) 8:20 リアルサウンド
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『おむすび』写真提供=NHK
NHK連続テレビ小説『おむすび』が現在放送中。(※中略)
ドラマには平成を彩った様々なカルチャーが登場するが、とりわけ重要な役割を担っているのが、あの頃のJ-POP。第30話では、歩(仲里依紗)が自らの職業をカラオケビデオに出演する女優であると明かす際に、浜崎あゆみの「Boys & Girls」を熱唱するシーンが描かれた。
制作統括の宇佐川隆史は「当時、その歌詞に思わずうなづいたという実感が私自身にもありましたし、ギャルのみなさんを取材する中でも、『浜崎あゆみさんの歌詞に救われた』『寄り添ってくれた』という言葉をたくさん聞きました。2000年代前半のギャルにとっての“演歌のようなもの”が浜崎あゆみさんであり、自分の中に染み入る楽曲だったと思います」と説明する。
〈輝きだした 僕達を誰が止めることなど出来るだろう〉という歌詞は、「ギャルをやりたい、書道部もやりたい」と決意した結の感情にリンクするが、宇佐川は「私たちがこの作品で伝えようとしているギャルマインドが、『Boys & Girls』にはしっかりと表れている。それをぜひ物語に入れたいということで、脚本の根本(ノンジ)さんが選曲してくれました。以前、ハギャレンがカラオケで歌う場面もありましたが、根本さんはその頃から、歩の歌唱シーン、そして“結との和解”を想定して書いていらっしゃったと思います」と経緯を明かす。
さらに、「ドラマの打ち合わせが終わったあとに『あの時のように、歌をまた歌いに行こうよ!』とカラオケを何度となく歌いに行きまして(笑)。90年代の楽曲は、聴くだけでなく“歌う”という感覚が大事なんですよね。もちろん歌詞の内容も大切ですが、理屈を超えて、あのとき私たちが歌うことで感じた熱を、あらためて感じたという理由で、曲を物語に組み込んだ部分も大きいと思います。その行為自体が平成だから」と選曲時のエピソードを振り返った。
一方、中学生時代の歩(高松咲希)が親友の真紀(大島美優)と一緒に聴いていたのは、安室奈美恵 with SUPER MONKEY'Sの「PARADISE TRAIN」。阪神・淡路大震災が起きたのは1995年1月17日、そして安室がブレイクするきっかけとなった「TRY ME ~私を信じて~」の発売は約1週間後の1月25日。すなわち真紀は、安室の快進撃が始まる直前にこの世を去ったことになる。
宇佐川は、先見の明がある真紀の人物像について「独自の“好き”を楽しむ、まさに神戸っ子」だと解説する。
「今ももちろんそうですが、1995年の神戸の方々は自分たちの町に誇りを持って、すごく大事にされてきた。そして、最先端の文化が取り入れられている港町ということもあり、おしゃれなんですよね。真紀は、そういった神戸のおしゃれさや、新しいものを楽しむ文化を体現するキャラクターだと。東京では少し流行ってきていたギャルというものが、真紀の目には“新しいもの、素敵なもの”として映っていた。そんな真紀の思いを継承して、歩が彼女との約束を果たしていく流れになっています」
震災後、糸島に移り住んだ歩がひとり聴いていたのは、「TRY ME ~私を信じて~」。恋愛の歌であるとはいえ、〈あなたをつつむ 愛が待ってる〉〈悲しい想い 消えなくても〉〈あなたをみてる わたしを信じて〉〈違う明日の 夢をあげる〉。まるで真紀からのメッセージのような歌詞が、歩の救いになったに違いない。「まさに、この歌詞を聞きながら脚本を読み、涙が出てきました。安室さんの曲が、真紀の言葉としても聴こえてきて背中を押す。日本中が当時そうだったはずです」
そして、ハギャレンのメンバーたちが同じように心の支えにしてきたのが浜崎あゆみ。「安室さんと浜崎さんは、もちろんそれぞれに違う魅力をもつアーティストの方ですが、“私たちの人生を支えてきた”という部分は、共通しているのではと思います。あの頃、私たちにとって歌はすごく大切で、好きな音楽を生活に取り入れていた時代だったと思うんです。それは歩も結も同じで、安室さんや浜崎さんの音楽に、それぞれ励まされてきた。この姉妹を描く上で、お二人の曲を重要視するのはマストであり、必然だったと思います」
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